30代~40代のミドル男性(中年男性)から発せられる脂っぽいニオイをミドル脂臭と言います。
この「ミドル脂臭」という言葉は、男性向けに作られた造語。おもに頭部周辺の脂っぽい臭いのことを指します。
ここ数年(五年という説も)で一気に広まったこのミドル脂臭というワード。果たして女性にもミドル脂臭はあるのか?男性だけのものなのか?体臭の問題だけに気になるところです。
世間的に有名!?な体臭である「加齢臭」が発生し始めるのは一般的に40後半~50歳とされています。そうすると30~40代女性のあのニオイはいったい何のニオイなの!?という疑問があります。
そんなミドル脂臭の発生原因について次項で解説していきます。ついてきて下さいね。
ミドル脂臭の発生原因
まず人の汗腺には2種類あるとされています↓↓
- 強いニオイを出すアポクリン腺
- ほとんどニオイを出さないエクリン腺
一見、ミドル脂臭に関わるのはアポクリン腺と思われそうですが、じつはエクリン腺です。エクリン腺からでる乳酸(にゅうさん)が原因の一つです。
そしてミドル脂臭の発生原因は以下の3点に集約されます。
ココがポイント
- キチンと身体が洗えてない
- 皮脂腺の分泌量が多い
- 汗の中に乳酸がたくさん含まれている
以上の3点が主なニオイの発生原因のケース。男女の性別は関係ありません。
この記事をご覧になっている30代~40代の女性で体臭が気になっている方は、対策としてまずは上記3点を意識をすることをおすすめします。
それではその三点を次項で解説していきます。
1.キチンと身体が洗えてない
洗えば洗うほど人間の体はニオイがより強くなる。
多くの方がなんども洗えばいいと思い込んでいます。汚れたら洗うのは服も体もいっしょですが、体の洗い過ぎは体臭には逆効果になることも…
なぜか?
人間の体のニオイを左右するのは皮膚上にいる細菌次第だから。
- いい匂いを出すのか?
- 悪臭を出すのか?
これらについては、皮膚にどんな細菌が存在しているか?で大きく変わります。その皮膚上にいる細菌とは…!?以下の図にしました。
※画像はイメージです。
表皮ブドウ球菌
|
健康的な皮膚で、表皮ブドウ球菌がほとんどを占めている為、常在菌といいます。
この表皮ブドウ球菌は皮脂や汗を餌として食べて、弱酸性の脂肪酸を産生し、皮膚面を酸性に保ちます。 香水の原料ともなるよい香りの脂肪酸があります。 |
黄色ブドウ球菌
真菌 |
悪臭の脂肪酸、アンモニアやインドール等の不快臭を作り出す菌です。
皮膚に対する刺激性が強く、強い臭いになります。 |
上記で挙げた表皮ブドウ球菌などの常在菌は、
- シャワーを浴びるだけで 80%
- お風呂に入るだけで 90%
- さらに洗うことで 95%
が洗い流されるそうです。
そのため、1日に何度もシャワーやお風呂に入る習慣を続けてると、いい匂いを発生する常在菌が限りなく”0”に。それにより悪臭を放つようになる黄色ブドウ球菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
表皮ブドウ球菌はより強い臭いをつくる菌が繁殖しないよう言わば「バリアー」となっています。1日2度お風呂に入っている人や、1回のお風呂で2度体を洗うような方は、洗いすぎてそのバリアーを失っている可能性があるのです。
その対策として、
- 豊かな泡立ちで消臭作用のあるボディーソープ、またはシャンプーを選ぶ
- 体を洗うのは1日1回にする
であれば、常在菌を保ちながら清潔面もキープできることでしょう。
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2.皮脂の分泌量が多い
ミドル脂臭の発生する原因として、皮脂分泌の量が大きく関係してきます。
すでに説明しましたが、過剰な皮脂分泌はにおいを強くする原因となります。皮膚上のブドウ球菌により皮脂をエサにして脂肪酸を作り出すためです。
その参考に年齢別の皮脂分泌量を表したグラフがあります。
上記の皮脂分泌量を表したグラフ。それによると男女ともに30代ほどで皮脂の分泌量はピークを迎えます。
一方の女性の皮脂の分泌量のピークは男性の半分程。ニオイの原因となる脂肪酸の量も少ないと言えます。
しかし、女性は皮脂の分泌が過剰になる理由があります。生理です。
生理によるニオイの変化
女性の体臭は生理の周期に合わせて微妙に変化していきます。
生理前になるとホルモンの影響で皮脂腺が刺激され、皮脂が多く分泌されるようになります。
分泌される皮脂があまりに多いようであれば、皮脂腺の出口がつまり、脂肪酸が酸化し、匂いが強くなることもあります。
生理周期のニオイ変化には個人差があり、排卵期に強く感じる人、生理前にきつくなる人など様々です。
そのため生理時期には肉や脂っぽいもの、ニラやにんにくなどのにおいの強いものは体臭だけでなく、性器周辺の臭いを強くする事に繋がります。気になる方は食べるのをなるたけ控えるようにしましょう。
3.汗の中に乳酸がたくさん含まれている
人間は汗を出す発汗エネルギーを、
- 解糖系という方法で得る場合
- クエン酸サイクル(クエン酸回路)という方法で得る場合
と2つの種類で発汗エネルギーを得ます。そのエネルギー代謝の方法を選択するのは抹消血管の血液の中や組織の中の「酸素量」で決まります。
その2つのエネルギー代謝のうち、汗の中に乳酸が増える場合は解糖系で発汗エネルギーを得た場合になります。
全力疾走や筋肉トレーニングなど激しい運動をしているときは、酸素を使わずにエネルギーを作り出します。その場合を無酸素運動といい、その運動はエネルギーを解糖系で得ることになるため、副産物として乳酸ができてしまいます。
対するウォーキングやエアロビクス、軽いジョギング…といった有酸素運動と言われるものは、エネルギーをクエン酸サイクル(クエン酸回路)で得るため、乳酸がたまりにくいとされています。
それらの運動によりできた乳酸は体中をめぐって汗として排出されます。
また、肥満な人や運動不足な人ほど酸素摂取量が低いため、軽く運動しただけで無酸素運動になり、エネルギーを解糖系で得るため、体臭を強くすることに繋がります。
体内で発生する乳酸に関しては男女ともに同様のメカニズムです。乳酸が発生しやすい状況としては、
- 日ごろ激しい運動をしている方
- 運動不足な方
- 肥満体系な方
となっています。
まとめ
ミドル脂臭とは「30代~40代のミドル男性から発生される脂っぽいニオイのこと」臭いの発生メカニズムからして女性でもあり得るニオイと考えられます。
- 臭いの原因は乳酸であり、エクリン汗腺から出る汗
- 女性の皮脂量はピーク時でも男性の半分程度
- 乳酸はエネルギー代謝を解糖系で行うことで多くなる
- 生理の時は皮脂分泌が多くなる時期
しかしながら、30代~40代女性のニオイに関して、いまだ情報が少ない状態であるのが実情です。この後の研究いかんでは新たな事実が明らかにされることも十分に考えられます。期待しましょう。
ミドル脂臭の原因として重要なのは乳酸を作らないこと。日ごろ有酸素運動などをして運動不足を解消することを意識しましょう。
また女性の場合、生理時は皮脂分泌量も多くなります。その時はニオイの強いものをなるたけ控えるよう意識しましょう。
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