体臭のなかで改善がとくに困難とされているのが「頭部からのニオイ」
足やワキ向けのニオイ消臭グッツはドラックストアに豊富にあれど、頭のニオイ消臭グッツは見かけません。
頭から発生するニオイはいろいろな要因が重なって発生される「複合臭」というもの。
やっかいなのはニオイの発生原因は人それぞれであること。そのため頭のニオイは対策が難しいとされています。頭皮の臭い対策をお探しの方はこちらのページを参考にしていただければ幸いです。
-
頭皮の臭い対策 ニオイが消えない人への頭皮ケアの方法
30代以上の女性に多くみられる頭部のニオイが気になるという悩み。 きちんと頭を洗っているのニオイが気になる。それは頭皮の洗いすぎや使用しているシャンプーが自分にあっていないからではありま ...
続きを見る
頭が臭くなるのはなぜ?
皮脂分泌が多い箇所
体臭はからだの様々な箇所から発生しています。
足やワキの下からのニオイは周囲に臭いが広がりやすいため、改善への意識が高いと思いますが、じつは加齢臭を始めとしたニオイが発生しやすい場所が頭部です。
そんな頭のニオイですが、じつは二通りのニオイが存在しており(以下参照)ニオイの発生と原因はそれぞれ異なります。
- 頭皮の皮脂が臭う
- 髪の毛に付着したニオイ
まず頭皮が臭う原因ですが、本来頭は汗をかきやすく、皮脂分泌も多い箇所です。
皮脂は酸化が起こることで加齢臭として強く臭うようになります(加齢による皮脂分泌の増加については加齢臭の発生原因のページで解説しています)
さらにニオイを強くする要因が頭皮にあります。
それは”フケ”です。
※画像はイメージです。
フケは頭皮の角質細胞のこと。身体の垢(あか)と同じで、古くなると剥がれ落ちてきます。
フケのメカニズムを下図で見ていきましょう。
上の図は表皮の新陳代謝「ターンオーバー」と呼ばれるもの。本来フケは気にならないほどのちいさなものであれば、ごくごく自然な生理的な現象と言えます。
しかしこのターンオーバーのサイクルが乱れてしまい、未熟な表皮細胞が重なって落ちてしまう。これが目に見えるような大きなフケの原因とされています。
フケはポロポロと肩や服に落ちたり、頭髪から見えると不潔に見られ本人の印象も下がります。そのほかにもフケにはタンパク質が含まれており、細菌のエサになることから、頭皮に細菌やカビを発生してしまう要因となり、頭皮の臭いが強くなる可能性があるので注意しなくてはなりません。
パラパラと乾燥したフケの場合(乾性フケ)
皮脂が不足すると頭皮は水分を保てなくなり頭皮が乾燥します。乾燥しているフケはちいさく細かいことが特徴です。パラパラと服に落ちていると見た目も不潔に見えるので注意が必要です。
こうしたフケは空気が乾燥しだす冬場や肌に潤いがなくなってくる40代以降の方に多く見られます。こうした状態は頭皮のバリア機能も低下しており注意が必要です。
大きな塊のようなべったりとしたフケ(脂性フケ)
頭皮から分泌される皮脂量が多い方にみられます。フケに皮脂や水分が多く含まれていることから結合力が強く、大きめサイズのフケが発生します。
毎晩頭を洗っていても、朝になると顔や頭皮がベタベタしてニオイも気になるという方は注意が必要です。
こんな生活がフケを招く原因に!!
1.洗いすぎて皮脂を落としすぎている
フケが出るから頭皮をしっかりと洗うのはまったくの逆効果となります。
たくさん汗をかく夏場は夜にお風呂に入り頭を洗い、翌朝シャワーでもう一度洗う。そのようなサイクルですと1日に2度も洗うことになります。いくら汗をかくといってもそれでは洗いすぎです。
頭皮の皮脂を根こそぎ除去することはかえって皮脂の分泌を促すことにつながります。皮脂の分泌が増加することにより、フケが増えやすい環境になり菌が繁殖しやすくなってしまいます。
汗やホコリはお湯ですすぐだけでも十分に落とすことが可能です。1日に何度も頭を洗う習慣の方は改める必要があるでしょう。
2.使用しているシャンプーが強すぎる
シャンプーのなかには「石油系の界面活性剤」が含まれているものがあります。
石油系界面活性剤について
表記例:ラウリン酸Na、ラウレス硫酸Na、スルホン酸Naなどの表記がつくもの(Na=ナトリウム)
特長として:洗浄力が強い。安価なため製造コストを抑えられる。
安価なシャンプーに多くみられるのが、石油由来の原料を使用している高級アルコール系シャンプーと言われているもの。
その洗浄力は頭皮に必要な皮脂まで除去しかねないほど強く、とくに肌の弱い人はかぶれの原因にも。
現状のシャンプーに納得がいかない人や、これからの頭皮ケアにチカラを入れる予定の方はお使いのシャンプーを見つめなおす必要があります。ポイントとなるのはやはり成分配合です。地肌への刺激が少ない配合になっているものを選びましょう。
こちらのページで頭皮に優しいシャンプーを紹介してます。
3.食生活の乱れ
皮脂の分泌量は30代がピークとされています(男女ともに)しかし毎日の食事内容によっても大きく変化します。
皮脂は私たちが摂取している油脂から作られます。なかでも注意すべきなのは「動物性の脂質」と呼ばれるもの。例を挙げるとラード、バター、ヘッドなど常温で固形になるものです。
皮脂分泌が多くなることは「加齢臭の原因とされるノネナールの量も多くなる」ため、ニオイの元も増加します。
脂性フケの発生は脂漏性皮膚炎にも注意
頭皮を触るとベタベタしていたり、脂性フケが多く発生する方で頭皮の臭いがとくに気になる方は真菌(しんきん)というカビの一種が関係していることも考えられます。
真菌はだれの皮膚にも存在している常在菌です。皮脂を好むため皮脂分泌が活発な男性に多く見られます。
真菌によるフケやかゆみをともなっている方は、ストレスや食生活の乱れによってさらに真菌によるフケが多くなると脂漏性皮膚炎の発症につながりかねません。
症状が進行すると頭皮の毛穴に皮脂がつまりにおいの原因になるだけでなく、抜け毛が進行する要因にもなりかねません。頭皮がべたべたして大き目なフケが出たり臭いが気になる方こちらのページを参考にしてください。⇒頭皮のベタベタからくる臭い対策方法は?シャンプーで改善できる?
これまで書いてきた頭皮のニオイに続き、次項は髪の毛が臭う原因についてみていきます。
髪の毛が臭ってしまう理由
本来、髪の毛自体にニオイはありません。そのため髪の毛がくさいのは外からのニオイが付着したことが原因となります。
髪の毛はコルテックス(毛皮質)のまわりを、かたい角質のキューティクル(毛表皮)が覆っています。(下図を参照)
(画像はイメージです)
考えられる髪の毛が痛む要因として、
- シャンプーのし過ぎ
- ドライヤーブローの仕方
- カラーリング、パーマ
など人によって様々です。
傷んだ髪はキューティクルが剥がれていき、そこからニオイ成分が入り込みやすくなります(下図参照)
(画像はイメージです)
また髪が濡れた状態でもキューティクルは開く性質があり、その状態でも臭いが入り込んでしまうおそれがあります。
髪を洗うタイミングもニオイに影響する?
朝の時間がないときに頭を洗うのは控えるようにしましょう。
出かける前などで頭を洗ってしまうとキチンと髪が乾くまえに出発してしまうことになります。
さきほど髪のキューティクルについて触れましたが、濡れた髪はキューティクルが開いている状態であるためニオイが付着しやすくなっています。
まとめ
頭の臭いの原因は、
- 頭皮の皮脂のにおい
- 髪の毛のにおい
が合わさった複合臭となります。