アスタキサンチンと聞くと、美容や健康に良いと言われていて、アンチエイジング効果のある成分として化粧品などで使われているのをよく見ますよね。
そんなアスタキサンチンは人体では生成できないため、食品から摂取することになります。
その成分はカロテノイドの一種とされており、
- サケ
- エビ
- カニ
- オキアミ
など、魚介類や海藻に含まれている脂溶性の赤い色素のことをアスタキサンチンといいます。
そんな赤い色素アスタキサンチン。実は加齢臭軽減への大切なキーとなる成分なんです。
加齢臭にアスタキサンチン!?なぜ?
まず加齢臭の原因は、皮脂腺の中の脂肪酸(パルミトオレイン酸)が過酸化脂質と結び付き、分解・酸化されてノネナールという物質ができます。このうちの過酸化脂質が増える理由が、活性酸素が大量に発生したときとなります。
この活性酸素を消去する機能は人体に備わっているものの、この機能は年齢を重ねるごとに徐々に低下していきます。そんな活性酸素消去機能の低下を補うには、抗酸化作用のある食品を摂取することが良いとされています。
そうすると過酸化脂質増加の防止につながり、加齢臭の抑制にもつながるのです。
アスタキサンチンのすごい抗酸化力
アスタキサンチンの他に抗酸化作用があるとされる成分は、
- ポリフェノール
- βカロテン
- イソフラボン
〜など様々な種類があります。
その中でも強力な抗酸化力をもっているのがアスタキサンチン、だとされてます。
加齢臭の要因となる過酸化脂質という物質は、脂肪でできている細胞膜が活性酸素によって攻撃されることによってできます。
アスタキサンチンはその攻撃をブロックするとともに脂質過酸化反応を抑える作用が強力だとされ、同じ脂質過酸化反応を抑える効果のあるビタミンEの約1,000倍の作用があるとされています。
アスタキサンチンはどのくらい摂取すればいいの?
アスタキサンチンの適切な摂取量は1日に6mgとされています。
この6mgという量。日々の食事からの摂取は非常に難しいとされています。
そんなアスタキサンチンを含む食品は何か?下の表にまとめました。
食品 | 100gに対してのアスタキサンチン含有量 |
桜エビ | 7.0mg |
オキアミ | 3.0mg~4.0mg |
紅鮭 | 2.5mg~3.7mg |
イクラ | 2.5mg~3.0mg |
金目鯛 | 2.0mg~3.0mg |
毛ガニ | 1.1mg |
甘エビ | 0.8mg~1.0mg |
白鮭 | 0.3mg~0.8mg |
※100g当たりのアスタキサンチン含有量になります。
アスタキサンチンの摂取量が一日6mgとすると、スーパーに売っているサケの切り身(白鮭)なら6切れ以上、イクラはどんぶり2人前ほどの量になる計算。
1日だけ(その日だけ)なら無理して摂取することは可能でしょうが、それを毎日摂取していくとなると、世間一般の家庭環境では非常に困難なのは容易に想像できます。現実的で一般的なメニューになる、とはお世辞にも言えません。
きっと作る方も、食べる方も大変だし、食費だってバカになりません。
手軽に摂取するにはサプリメントがおすすめ
アスタキサンチンの抗酸化作用を期待するなら、1日6mg程度を継続的に摂取するのが望ましいそうです。
真っ向勝負でそれだけの量を摂取するのも漢らしいですが、サプリメントやジュースなどから摂取するのも立派な選択肢です。
なおサプリメントなどに使われているアスタキサンチンは、エビやサケから採取したものではなく、ヘマトコッカス藻から採取したものになります。
富士化学工業グループが1994年に世界で初めてヘマトコッカス藻によるアスタキサンチンの生産に成功しました。それ以来安定した供給を続けており、現在はアスタキサンチンを含む化粧品やジュース、またはクッキーや卵に至るまでアスタキサンチンを含んだ商品が販売されています。
そのことからもアスタキサンチンの抗酸化作用が世間的にも非常に注目されています。
アスタキサンチンを摂取するうえでの注意点
食事でアスタキサンチンを摂取する場合、エビやカニといった甲殻類に対するアレルギーがある方は注意が必要です。
そうした人はアレルギーを起こさない食品を選ぶ、またはサプリメントで摂取するのが良いでしょう。アスタキサンチンは食品に含まれる物質ですので、医薬品とは違います。そのため、副作用の概念が存在しません。
かといって、望ましくない作用が現れる可能性もゼロではありません。ただアスタキサンチンに関して、これまでそうした報告はほぼないようです。
ですが、アスタキサンチンは脂溶性物質であるため、過剰摂取すると体内に蓄積される可能性も考えられるそうです。適量を超える範囲での摂取はしないよう心がけましょう。
妊娠中・授乳中の方は、サプリメントとしての摂取の安全性については信頼できるデータが十分にないので、使用は避けた方がよいでしょう。
まとめ
加齢臭は皮脂腺の中の過酸化脂質が増加することにより、ニオイが強くなります。
その過酸化脂質と関係しているのが活性酸素であり、その発生を抑えるのがアスタキサンチンなどの抗酸化作用を含んだ食品です。
加齢臭を軽減するには、普段の食生活が大きく関わってきます。体の内側から対策を講じるには、まず脂質の摂取を控え、活性酸素を減らす抗酸化作用のある食品を摂取することを意識しましょう。