石鹸とボディソープ、どちらが加齢臭対策にいいの!?…これきっと誰でも感じる素朴な疑問だと思います。
体臭ケアの第一歩・基本中の基本は、身体を清潔にすること。
そこで真っ先に思い浮かぶのが石鹸とボディソープ。理由はいわずもがな、それらで日々身体を洗っているからです。

…ということで、加齢臭対策をしたい!!
そう思い立ったとき、まず目を向けるのが身体を洗うもの。石鹸とボディソープです。さっきも言いましたけどね。
今までは、単純に安いからという理由、あるいは家族が買ってきたものをなんとなく使ってきたという方も多いでしょう。

そんな現実があり、お風呂でできる身近な加齢臭対策をしたくても、モノが多すぎてどれを選んだらいいかわかりません。また製品にも色々な違いがあります。迷っている人も多いハズ。
ということで今回は、加齢臭対策目的として石鹸とボディソープどちらがいいのか?選ぶ際のetc…について書いていきます。
加齢臭についてこんな書籍がありますよ
加齢臭対策としてボディーソープと石鹸の文献を探しているうちに、こんな書籍に出会いました。
その書籍は、奈良巧著「におわない人の習慣」です。

ノネナール抑制!!実は固形石鹸のほうが上だった
その「におわない人の習慣」には実に興味深い記述がありました。
それは、加齢臭抑制効果が期待される”柿渋”を含んだ同じ製品の場合、固形石鹸と液体石鹸ではどちらが加齢臭の抑制が高いのか?実際の石鹸メーカーに取材したという内容。
柿渋を含んだ同じ製品の固形石鹸、液体石鹸を使い、どちらが加齢臭の抑制効果が高いのか?非常に興味深い実験を行ったのです。
…で、結果から言うと、加齢臭の原因物質(ノネナール)を抑制できるのはボディソープよりも固形石鹸の方がわずかに上でした。
※以下 「におわない人の習慣」記載のデータ
「アロマティックソープ柿渋」を使って、加齢臭の原因物質「ノネナール」をどのくらい減少できるのかの比較です。
固形セッケン=97.3%
液体ソープ=93.2%
わずかですが、固形セッケンのほうが上回っています。(出典:におわない人の習慣 奈良巧 P104より)
〜となっており、固形石鹸と液体ソープの加齢臭抑制値の差は4.1%、と固形石鹸が若干上回る結果に。これはオドロキです。
しかし、元はどちらも同じ製品なのになぜ抑制値が変わってくるのでしょうか?
それは実に簡単な理由でした。
同じ加齢臭対策の製品なのに抑制値が違う!!その理由とは?
それは液体石鹸より固形石鹸の方が成分を濃くできるから。
このことについて多くの方がご存じない事実かと思います。石鹸もボディソープも一緒でしょ!?と思って当然と思います。
実は、ボディーソープと石鹸では製造方法に大きな違いがあります
液体石鹸は固形石鹸をただ液体にしているわけではなく、製造の際に七割程度水分をいれています。一方の固形石鹸は、材料を均一に混ぜ、その状態で固めています。そのため固形石鹸は成分が凝縮され、しかも品質が均一になるように造られる。
このような違いが両者にあったんですね。
続いてボディソープ製品の成分表記について見ていきましょう。
水分が多いボディーソープは以下のように製品本体の裏面に記載があります
化粧品の成分表示について
薬機法(以前は薬事法)により、医薬部外品を除くすべての化粧品に全成分表記が義務付けられています。たしかに化粧品のボディーソープの成分表示を見てみると、「水」の表記が全成分表記の最初にきています。※以下、画像参照。
※写真は手持ちのクリアネオ・ボディーソープ(化粧品扱い)のボトル裏の記載。
気になるようであれば家にあるボディーソープをチェックしてみてください。
化粧品の場合は、成分量が多い順に記載しなくてはならないという決まりがあります。そのため含有量が多い「水」が成分表示のはじまりになります。
ちなみに、医薬部外品は全成分表記の義務はありません。業界の自主的なルールはありますが、必ずしもすべての製品が含有成分の多い順に記載されているわけではないのでご注意を。

上の画像は加齢臭に人気の柿渋エキス配合の薬用太陽のさちEXストロングボディソープの本体容器前面のアップ(手持ちのもの)。ご覧のように"薬用"と"医薬部外品"の記載があります。
ボディーソープと固形石鹸で異なる点を挙げる
すでに説明した通り、書籍にはボディーソープと固形石鹸ではわずかに固形石鹸のほうが、加齢臭を抑制できるとありました。
それら事実を知ると加齢臭に悩む人は迷わず固形石鹸を選択するかと思います。しかし、石鹸にせよボディソープにせよ、どれを選ぶかはその人次第です。
選ぶ理由は様々。例えば、
- 家族の意向を優先したり
- 使い心地・感触であったり
- 好きな香り(または異性に好まれやすい香り)だったり
- 単純に価格だったり
…と、人によって求めるもの・判断基準が違ってきます。

固形石鹸とボディーソープでは洗い上がりが違う
↑↑これが大きく違う点だと思います。
では、なぜボディーソープと石鹸は洗いあがりが違うのか?
その理由は石鹸で洗う場合、皮膚の表面に金属セッケンができるから。

金属セッケン?セッケンなのになぜ金属?って思いますよね。金属セッケンとは一体どんなものなのか?
以下で解説します。
金属セッケン(石けんカス)について
水の中には硬度成分であるカルシウム、マグネシウムなどの金属イオンが存在します。この成分が固形セッケンのナトリウム成分と結びつくことで金属セッケンができます。
この金属セッケンは汚れを落とす力はなく、これが多く生成するほど石けんの界面活性成分は失われていき、洗浄力が低下します。
また加齢臭を抑制すると言われている柿渋石鹸などを使用した場合、柿渋の成分なども金属セッケンと一緒に肌の表面に残ることになります。そのため消臭の持続性があります。
予備知識として
また純水(不純物をほとんど含まない、純度の高い水のこと)を使って固形石鹸で洗うことにすれば、マグネシウムとカルシウムを含まないため、金属石けんがほとんどできません。(日常的にはあり得ませんが)
その場合、固形石鹸はボディーソープの洗い上がりと同じになります。
ボディーソープにもこの金属石けんはできるようですが、添加されている成分によって皮膚に残りにくいようになっているようです。そのことからボディーソープは固形石鹸独特のすっきり感を感じにくいことになっています。
硬度が高いと金属石けんができやすい
日本の水道はほとんどがミネラル分の少ない軟水(地方により差があります)なのでそれほど金属石けんはできません。
しかし外国(水の硬度が高い地域の場合)などに旅行の際は、日本の固形石鹸では泡立たないことがあります。
それは、泡立てる際に石鹸カスが非常に多くなってしまうから。
そのためいくら泡立てても石鹸カスをつくることになり、それで洗ってもただ体をこすっているだけになります。皮膚を傷付けることになるので、その場合はその石鹸を使うのはやめましょう。

固形石鹸は浴槽に置きっぱなしだと溶けてしまう
同じ製品の固形石鹸と液体石鹸、どちらも一か月使えるものだとしましょう。
それでどちらも同じ日に使い始めてずっと浴槽に置きっぱなしだった場合、早くなくなるのは固形石鹸です。
なぜかと言うと、固形石鹸は溶けてしまうから。

なので、石鹸を使う場合は石鹸とともに自分も浴室に入り、洗い終わったら石鹸と一緒に出るようにしないと石鹸の減りが尋常じゃなく早いです。
また高級な石鹸であるほど、成分が凝縮されており石鹸が溶けやすくできています。
少しでも長持ちさせたい方は、浴槽に石鹸を置きっぱなしにするのは避けましょう。
ボディーソープは使用量がわかりやすい
ボディーソープでも固形石鹸でも大切なのは、使う量を適切に調節することです。

そのため使用量が管理しやすいという面ではボディーソープに軍配が上がりそうです。
高級石鹸と普通の石鹸…何が違う?
この点は誰しもが気になる部分ですよね。
どんなものにも値段があり、消費者は選んだ品物を価格に見合っているか判断し、納得して購入します。もちろん石鹸にも価格の違うものがあります。
…で、まず、高級石鹸と普通の石鹸とでは皮膚表面の脂と結びついて落とす石鹸としての機能の差はありません。
では何が違うのか?
それは石鹸の泡立ち方や香りなど石鹸の機能とは違う側面のもの。

香水は同じ内容量なのに、モノによって人気や値段が大きく異なりますよね。それと同じように高級固形石鹸も質の良い香りがある。その香りは7割水分のボディーソープにはない香りです。
しかし、高級固形石鹸の宿命で、消臭成分や香り成分を凝縮している石鹸ほど柔らかくなるというデメリットがあります。
だから溶けやすくなり、長持ちし辛いのです。石鹸は高級なものであるほど減りが早く、より大切に使うことを求められるものと思っていいです。
その見返りに質の高い香りや独特な泡立ち、洗浄力の面で満足感が得られるものとなっています。
高級石鹸はその製品にしかない使用の際の満足感と、独特であり抜群の使いごこちが体感できるのです。
まとめ
加齢臭抑制の面でボディーソープと固形石鹸で異なる点をまとめると、
- 固形石鹸はノネナールを減少できる数値が若干上である
- 固形石鹸のさっぱり感は金属セッケン(石けんカス)によるもの
- 固形石鹸は金属セッケン(石けんカス)が残ることにより、香りが持続しやすい
- 液体ボディーソープは溶ける心配がなく、使用上の管理がしやすい
- 液体ボディーソープは使用量が目に見えるため、適量を適切に使える
以上のことを踏まえた上で、石鹸・ボディソープを選ぶとよいでしょう。
なにより大切なことは、ご自身にあっているかどうか?です。

- 使い心地(洗い上がりの感触も含め)
- 肌に合うかどうか
- コスパ
- 家族の意向…etc
これらの現実を踏まえ、
- ご自身が満足できるもの
- 使い続けられるもの
を選ぶのがベストと言えるでしょう。
最後に、今回記事作成にあたり参考にさせて頂いた書籍です。体臭について書かれている書籍は少ないのですが、その中で今年2017年7月に発売された新しい書籍です。
書籍名 におわない人の習慣
著者 奈良巧(ならたくみ)
発行所 草思社
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